夏の思い出のイタリアン

いつもtokotowaをご利用いただきまして誠にありがとうございます。CHIUnEの古田 諭史です。
2022年も早いもので7月です。
都内は早くも梅雨明けを宣言し、いよいよ本格的な夏が訪れようとしています。
7月といえば、子どもたちにとって夏休みが目前に迫る時期。僕自身も、小さい頃は海の日が近づく度に、夏休みに何をして遊ぶかを考えるのが楽しくて、わくわくしていました。
山や川に行って、ザリガニを取ったり、ビーチサンダルで出掛けてよく怪我をしたり、暑さなんてものともせず、外でたくさん遊んでいました。
7月のtokotowaはCHIUnEの料理をお届けします。
僕自身の思い出が詰まったイタリアンのメニューをご用意しました。
今回は、今月お届けするお料理について、一品ずつご紹介させていただきます。
イタリアンを選んだ理由
「夏の料理といえば?」と聞かれると、僕はイタリアの料理がぱっと頭に浮かびます。
昔、一度だけイタリアに旅行に行ったときのことです。
ミラノに到着して、アドリア海まで出たり、フェラーリの工場を見学したり、バルサミコ酢や、パルマハム、パニーニなどの食文化を楽しんだり、しっかりイタリアを堪能できたものの、季節はまさに夏真っ盛り。昼日中は日差しが強く、とにかく暑くてたまりませんでした。
日が沈むころ、映画「ルパン三世 カリオストロの城」のモデルの一つとされる要塞がある町に到着したのですが、びっくりすることに、夜になると一変して涼しくなって過ごしやすくなり、その晩に食べた料理は特別に美味しく感じたんです。
それ以来、「夏といえばイタリアン」のイメージが強く残るようになりました。
フルーツトマトのカペリーニ
カペリーニは、イタリアのナポリ周辺が発祥といわれる、非常に細長いロングパスタのことです。
19歳の頃、イタリアンのお店で働いていた時期があるのですが、そのお店のシグネチャーが、カペリーニでした。
僕はサービス担当だったので、そこのレシピは詳しく知らずじまいだったのですが、料理人を目指そうと考え始めた頃を思い出しながら作ったメニューです。
旬のピークが終わってしまう前に冷凍した新鮮なトマトを使った、暑さに火照った体をクールダウンさせるのにぴったりな冷製パスタです。
もし可能なら、ご自宅のテラスなどで、夏の夜風の中で召し上がっていただくのがおすすめです。
仔羊のカルピオーネ
イタリア旅行で、マルケ州ウルバーニアという町を訪れました。
山沿いにあるその町では、羊と茸が主な食材で、前菜にもメインの料理にも使われていて、「現地で収穫できるもので料理を作る」という姿勢に感銘を受けました。
そこで食べたのが、羊肉のカルピオーネです。カルピオーネは、日本でいうところの「南蛮漬け」のことで、どうしても魚を使用するイメージが強く、最初は驚いたのですが、食べてみるととても美味しくて感動しました。
その時の体験を思い出しながら作ったのが、今回のカルピオーネです。
羊肉は中心部が薄ピンクになるまで揚げていただくのがポイントです。柔らかいお肉に、酢漬けにした野菜を乗せてお召し上がりください。
大山鶏のカチャトーラ
専門学校時代、イタリアンとフレンチを専攻していました。
その頃の僕は優等生とは言い難く、授業に出ないこともあったのですが、グループで調理実習をする機会があって、その時に作ったのが、カチャトーラでした。
皆で力を合わせて料理を作るという体験に達成感があり、できあがった料理もすごく美味しくて、今ではとても良い思い出です。
カチャトーラは、イタリアでは定番の煮込み料理で、イタリア語で「猟師風の料理」という意味があります。その名の通り、猟師がその日に捕まえた獲物で作った料理、というのが由来です。
作り方や材料は、各家庭によってさまざまなので、tokotowaでは茸の一つ一つが鶏肉のソースと調和するように仕上げつつ、酸味を残してさっぱりと召し上がっていただけるように作りました。
ソースが余ってしまうと思うので、付け合わせにバターライスを添えて一緒に召し上がっていただくと、満足感が増すと思います。
今月のtokotowaには作り方のレシピも同梱しておりますので、会員の皆様は是非作ってみてください。
tokotowaと共に過ごした時間がより豊かなものになるように、という想いをこめて、これからも皆様のもとに美味しい料理を届けていきます。
引き続きtokotowaを何卒よろしくお願いいたします。
CHIUnEオーナーシェフ / tokotowaチーフプロデューサー
古田 諭史
